「土地活用を介護施設で検討されているけど、どんな活用なの?」
「土地活用を介護施設で行うメリットは?」
「土地活用を介護施設で行う条件とは?」
郊外に広い土地を所有している方は、固定資産税が高いなど悩みが尽きることがありません。そんな悩みにお答えしていきます。
最近、広い土地の活用方法の選択肢として、介護施設が注目されています。
しかし、よくあるアパート、マンションといった共同住宅とどちらにすべきか悩む方は多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、介護施設の土地活用を5年行ってきた経験のある細田てつひろが以下を解説していきます。
- 土地活用を介護施設でおすすめする理由
- 土地活用を介護施設で行うデメリット
- 土地活用を介護施設で始める方法
広い土地の活用方法に迷っている方は必見の内容です。
ぜひこの記事を参考に、後悔のない選択をしてくださいね。
細田 てつひろの執筆者プロフィール
- Webライター
- 介護施設専門の土地活用営業5年
- X(Twitter):細田 てつひろ|Webライター
介護施設での土地活用で知っておきたい基礎知識を解説
土地活用で介護施設を検討するには、まず前提として知っておきたい基礎知識を理解しておくことが重要になります。
そこで、土地活用における介護施設の基礎知識を以下の3つに分けて解説します。
1. 介護施設に必要な規模
2. 介護施設が開設できる地域とは?
3. 介護施設での土地活用方法の種類
「土地活用って専門用語が多くて、理解しにくい」と感じる方は、ぜひ参考にしてください。
1.介護施設に必要な規模
介護施設を検討する時に、以下の土地の広さが必要となります。
土地活用の名称 | 土地の広さ |
---|---|
老人ホーム | 300坪(1,000㎡)~※1 |
認知症グループホーム | 200坪(660㎡)~ |
参考:共同住宅(アパート) | 80坪(246㎡)~ |
※1 土地の広さの単位 1坪=3.3㎡
介護施設は、建物や駐車場、その他、ゴミステーションなどの必要なスペースを敷地内に確保することが必要となります。
そのため、土地の広さは通常の土地活用と比べても比較的大きくなります。
2.介護施設が開設できる地域とは?
介護施設を建築する際に、以下の用途地域の確認が必要になります。
介護施設名称 | 市街化区域 (工業専用以外)※2 | 工業専用 | 市街化調整区域 ※1 |
---|---|---|---|
老人ホーム | 〇 | × | △ |
認知症グループホーム | 〇 | × | △ |
※1市街化調整区域は、基本、市街化を抑制する地域になります。ただし、自治体によっては例外的に介護施設が建築ができる可能性もあります。
※2市街化地域であれば、工業専用地域を除き、建築は可能です。
広い土地であれば、どこでも希望の介護施設が建築できると思ったら、用途地域で難しいパターンもまれにありますので注意が必要です。まずは建設会社または役所の建築指導課に確認してください。
3.介護施設での土地活用方法の種類
土地活用は、長期計画が必要となってくるため、どのような目的で行いたいのか明確にすることが必要です。
- 相続対策なのか?
- 収益を得たいのか?
- 土地を残したいのか?
- 節税対策なのか?
そのうえで、土地活用は、以下の方法があります。
土地活用名称 | 意味 |
---|---|
建て貸し(別名:サブリース) ※介護施設の9割以上は この方法です! | 土地・建物を運営事業者に貸す方式。建築資金は、銀行からの借り入れを行うのが一般的。 転貸賃料収入を借地と比べ、多く得られるため節税対策、相続対策、収益目的に最適。 |
借地 | 土地だけ運営事業者に貸す方式。建築資金は運営事業者が工面するため、初期費用はほとんどかかりません。 ただし、借地料の収入のみのため、建て貸しと比べ賃料が少なく、場所によっては、節税対策にならない。 |
介護施設のほとんどが、「建て貸し」と呼ばれる土地活用で行われるため、地権者が土地だけでなく、介護施設を建築する資金調達も必要となってきます。
土地活用を介護施設で行うメリット5選
ここでは、土地活用を介護施設で行うメリットを以下で解説していきます。
1. 少子高齢化の時代で介護施設の需要が高い
2. 長期で安定的に家賃収入が見込める
3. 他の土地活用で不向きな土地でも開設可能
4. 節税効果がある
5. 社会貢献性がある
介護施設のメリットがよくわかりますので、ぜひご覧ください。
1.少子高齢化の時代で介護施設の需要が高い
昨今のニュースなどで少子高齢化の話題が尽きることがないように、高齢者の人口が年々多くなっています。
以下の65歳以上の人口の推移を見てみましょう。
65歳以上の日本の高齢者の人口は、2045年まで増え続ける予想です。その後も緩やかに減少するものの高齢者の人口は急激に減ることはありません。
介護施設が足りているかというと、最近では人気があるため、施設は増えてはいますが、まだまだ高齢者人口増加スピードに対して、足りていないのが現状です。
そのため、土地活用での介護施設の需要は高いためおすすめです。
2.長期で安定的に家賃収入が見込める
介護施設に入居したい高齢者のニーズは年々高まっているため、一旦、入居すれば転居することがほとんどありません。また、入居者の大半が、介護保険に加入しているため自己負担額が少ないので、長期滞在してもらえます。
また、介護施設を土地活用する際には、長期(通常20年以上)の賃貸借契約が基本です。このことから、長期で安定的に家賃収入が見込めます。
3.他の土地活用で不向きな土地でも開設可能
駅から近い場所は、アパート、マンションなどの土地活用で検討できます。しかし、駅から遠い不便な場所になりますと、徒歩での移動が難しくなってくるため、空室になりがちです。
そんな中、介護施設であれば、駅距離はそこまで関係なく開設できます。というのも入居者が外出することがなく、施設内でほぼすべての生活ができるからです。
他の土地活用で不向きな場所も、介護施設であれば最適な場合もあります。
4.節税効果がある
介護施設の土地活用は、以下の節税できるのがポイントがあります。
税金種別 | 節税効果 |
---|---|
固定資産税 | 住宅用地の特例 ・固定資産税1/6軽減 ・都市計画税1/3軽減 |
相続税 | ・貸家評価:建物評価額7割軽減 ・貸家建付地:土地評価額8割軽減 |
土地を遊休にさせたままにすると、税金を軽減無しで満額支払う必要があるため、いかに節税対策が必要かが分かります。
5.社会貢献性がある
介護が必要な高齢者の生活インフラを整えるという意味で、社会貢献性が高いです。地域によっては、介護施設がないため、そのような自治体がアンケート調査を実施すると、「介護施設を充実させてほしい」が上位になることがあります。
まだまだ高齢化社会とあって介護施設のニーズはあるため、やりがいと誇りをもって土地活用ができます。
土地活用を介護施設で行うデメリット5選
介護施設は長期安定と社会貢献ができる土地活用になります。ただし以下のデメリットもあります。
1. 運営事業者が撤退するリスクがある
2. 家賃が下がるリスクがある
3. 建物を他に転用が難しい
4. 自治体により開設できる枠が決まっている
5. 融資が難しい場合もある
土地活用全般で言えることですが、建築外車の営業担当から、メリットのみ聞かされされがちです。本当に重要なことはデメリットもしっかり理解したうえ検討することが大切です。
それでは解説していきます。
1.運営事業者が撤退するリスクがある
介護施設の運営は、介護事業者に委託するケースがほとんどです。そのため、介護事業者の経営力がないと、売上が下がり撤退するリスクがあります。
撤退の場合には、同等の他社介護事業者を探すことになりますが、探すのは容易でないです。
2.家賃が下がるリスクがある
介護事業者のほとんど収益は、国からの介護保険料です。現在は、国としても介護スタッフを増やしていく必要があり、処遇改善を国が進めていることから、介護保険料は減額になることはないでしょう。しかし、今後の社会情勢の影響により減額された場合は、介護報酬の改定に伴い、家賃が下がる可能性があります。
常に、最新の介護業界の動向に関心を向けることが重要です。
3.建物を他に転用するのが難しい
介護施設の中の間取りは、国、自治体の厳しい設備基準で作られているため、万が一、撤退後、アパートなどの転用は難しいです。できたとしても大規模なリフォームをしなければならないため現実的ではありません。
転用ありきの土地活用の構想であるなら、介護施設はおすすめできません。
4.自治体により開設できる枠が決まっている
以下の介護施設は、自治体によって「公募」という開設できる枠があるため注意が必要です。
- 介護付き有料老人ホーム
- 認知症グループホーム
開設を希望されている運営事業者に確認して、最適な介護施設を選ぶのが重要です。
5.融資が難しい場合もある
介護施設の土地活用は、以下の内容で、融資が下りない場合があります。
- 建築費用が高額すぎる
- 地権者の属性、資産状況が悪い
- 計画地が市街化調整区域(※融資の担保評価が低いため)
- 運営事業者の経営状況(※会社規模や赤字がないかなど)
以上の状況をよく確認して、介護施設で本当に土地活用をするのか検討する必要があります。
土地活用で介護施設を始める方法5ステップ
土地活用として介護施設を始めるためには、規模が大きい事業計画となるだけに、入念な検討が必要となります。
そこで、以下の土地活用で介護施設を始める方法を5つのステップで解説していきます。
1. 複数の土地活用プランと比較する
2. 介護施設の種類を決める
3. 運営事業者を比較検討する
4. 建築事業者を比較検討する
5. 賃貸借契約内容を確認する
どれも大切なステップですので、ぜひチェックしてください。
1.複数の土地活用プランと比較する
介護施設に適した土地活用の競合種類は以下になります。
土地活用用途 | 特徴 |
---|---|
アパート・マンション | 駅から近い場所であれば空室リスクも少なくニーズが高い。初期の利回りが高いのが魅力ではあるが、家賃見直し時期に家賃が下がることもある。 |
商業施設 | 県道・国道が接道している場所なら商業施設向き。家賃収入も高めだが、撤退リスクも大。 |
戸建賃貸 | ファミリー層向けの地域であればニーズがある。比較的長く借りてもらえるものの、空室が出ると家賃収入に大きく影響する。 |
ガレージハウス | 1Fが車庫になっていて、車好きの方にニーズが年々高い傾向にある。県道・国道・高速道路へのアクセスが良い場所は人気あり。 |
保育園 | 子育て世帯が多い地域で保育園が少ない場所ならニーズ有り。 |
医療施設 | 医療施設が少ない場所ならニーズ有りただし、医療事業者の誘致が難しい |
地域の状況や場所、事業内容・条件が、介護施設のほうがよいのか比較して検討することが大切です。
そのために建築会社から、概算のプラン・事業計画書を依頼してください。ただし、建築会社の話をそのまま信じるのではなく、ご自身でその土地活用が条件面で良いのか考え、調べることは非常に重要です。
2.介護施設の種類を決める
介護施設は、主には以下の名称のものがあります。それぞれ以下の特徴があるので解説していきます。
介護施設名称 | 特徴 | メリット |
---|---|---|
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | 高齢者専用の賃貸住宅。 ※居室面積を最低、1戸/18㎡以上確保する必要がある 比要介護度1~3程度の軽度の方が入居する特徴があり ・施設内に日常生活を支援するスタッフが常駐。 以下、必要に応じて・安否確認・生活相談・デイサービス受けられる。 総量規制はないため、いつでも開設可能。 | ・建築費の最大1/10が国交省より補助金が出る。 ・固定資産税 5年間税額2/3を、1/2以上5/6以下の範囲内で自治体の条例で定める割合を軽減 ・不動産取得税 <家屋> 課税標準額から1,200万円控除/戸 <土地>家屋の床面積の2倍に当たる土地面積相当分の価値を減額 |
住宅型有料老人ホーム | サ高住の特徴とほぼ同じ内容の老人ホーム ※要介護4及び5の重い方も受け入れるケースあり ※居室面積はサ高住と比べ面積を狭くして提供することが可能なため、1施設の居室数を増やせる。 | ・住宅用地の特例 固定資産税1/6軽減 都市計画税1/3軽減 |
介護付き有料老人ホーム | 24時間介護サービス全般を施設職員から受けることができる老人ホームです。 ・医療処置・認知症ケア・看取り以上のサービスも受けられます。その分、費用は一時入居金を含め高額です。 要介護3~5の重い方が入居する特徴があります。 国から特定施設の認定を受けるため、自治体の公募に受からないと建築できません。 | ・住宅用地の特例 固定資産税1/6軽減 都市計画税1/3軽減 |
健康型有料老人ホーム | 自立して生活できる高齢者が家事、食事のサービスを受けられる施設になります。設備費用が、身の回りのことは自分でできるため他の介護施設に比べ高めです。 | ・住宅用地の特例 固定資産税1/6軽減 都市計画税1/3軽減 |
認知症型グループホーム | 認知症のある高齢者が少人数で共同生活する施設。24時間体制で介護サービス全般を受けられます。 自治体の公募に受からないと建築できません。 | ・住宅用地の特例 固定資産税1/6軽減 都市計画税1/3軽減 ・自治体によっては建設補助金が出ますが、建築会社は入札制です。 |
数ある介護施設の種類がある中で、選ぶポイントは、
- 土地の広さ
- 自治体の公募状況
- 計画地近くの介護施設のマーケット
以上になります。詳細は運営事業者のご提案を参考にしてください。
3.運営事業者を比較検討する
運営事業者の比較検討するべきポイントは以下になります。
- 会社の規模
- 運営施設数
- 実際の施設内の様子
ただし、建築会社が運営会社を選定してご案内されるケースが多いです。業者に全て任せるのではなく、ご自身で、複数の運営事業者の事業内容を確かめてみるのが大切です。
4.建築事業者を比較検討する
建築事業者の比較検討するべきポイントは以下になります。
- 会社の規模
- 介護施設の建築実績
- 実際の施設内の作り
建物事業者全般において、多種類の建物の建築実績があるかのように案内されるケースが多いです。しかし、重要なのは、介護施設が、国や自治体の厳しい設備基準をクリアしていることです。基準を満たしていないと建築許可が下りないため、実績があるかに注目してください。
できれば、数は少ないですが、建築会社と運営会社がセットでワンストップ対応している会社がベストです。
5.賃貸借契約内容を確認する
主な賃貸借契約の確認ポイントは以下になります。まずは運営事業者から契約書のひな型を入手して確認することが重要です。
主なチェック項目 | 特徴 |
---|---|
賃料 | 近隣相場と比べ本当に妥当な家賃なのかしっかり交渉してみましょう。また、フリーレント期間は通常6か月のケースがほとんどでその間は家賃収入がないため注意が必要です。 |
賃料借り上げ期間 (サブリース期間とも言います) | 通常は25年~30年間家賃保証しますので空室リスクはありません。 |
家賃見直し時期 | 通常は早ければ3年目から近隣相場をみて見直しに入ります。ただし、介護施設のニーズが高いため、社会情勢が悪化した場合以外は、下げない傾向にはあります。 |
中途解約条項 | 万が一、運営事業者が撤退した場合の保障内容は確認が必要です。次の現在と同じ条件の運営事業者が見つかるまで撤退せず、建築費の残債保障をしてもらえる会社がベストです。 |
修繕区分 | 基本は ・建主:建物本体主要部分の経年劣化による修繕 ・運営事業者:軽微で消耗が出る物の取り換え 点検関係の費用 以上の修繕区分であるケースが多いです。 |
他にも細かな特約事項も記載されているケースもありますので、契約書のひな型を事前にしっかり読み込み、不明な点があれば何度でも確認・相談してください。
土地活用を介護施設で進める場合は、経験豊富な専門業者へ
介護施設は土地活用の中でも、長期安定で家賃収入が得られ、社会貢献もできる将来性があり有望です。
しかし、開設までに、以下の流れが必要となります。
- プラン・事業計画書検討
- 賃貸借契約及び請負工事契約をする
- 建築確認申請
- 役所協議
- 融資実行
- 着工
- 竣工
- 引き渡し
- 開設
以上の流れで、早ければ1年半、時間がかかる場合は2年程時間を要します。土地活用の規模も大きいこともさることながら、時間と介護施設特有の専門的な作業も必要になってきます。
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